秋葉 舞滝子
AKIBA Masako
☆誕生日
2月27日
☆出身地
東京都
☆血液型
O型
☆最近の代表作
SPIRAL MOONの作品(演出・出演)
☆子供の頃に触れた作品の中で、あなたの心に残っている物語のタイトル、作家、理由を教えて下さい。
『木かげの家の小人たち』 いぬいとみこ
このお題を貰ってしみじみ思うのは「子供の頃は魔法や不思議な生き物が身近だったな」ということです。外で遊ぶよりひとりで本を読むのが好きだった私はとにかく手当たり次第に本を読みまくりましたが、ことに《小人》が登場する物語が大好きで、人けのない蔵の窓辺にこっそりと小さなものを置いておいたり、雨の午後、庭にあるお稲荷さんの祠で昼寝したり、小さな池を掘っちゃったり(これは母に激怒されすぐに泣きながら埋め戻した)、本を読んでは想像を膨らませて蔵や庭で小人を探す日々がずいぶん長く続いたものです。
メアリー・ノートンの「小人の冒険シリーズ」も佐藤さとるの「コロボックル物語シリーズ」も擦り切れるほど読みましたが、なかでも『木かげの家の小人たち』が私の偏愛する小人文学(勝手に命名)の最高峰です。小人文学に共通して言えることですが、この物語のすごいところは《気配》です。小人は人間に見られてはいけないわけですから基本的に姿を隠して暮らしていますが、それでも生き物の気配というのは確実にあって、それを表現している部分は優しかったり哀しかったり楽しかったり様々ですが、どれも想像力を刺激して素晴らしい。毎朝牛乳を入れる青いコップも風になびく蜘蛛の糸で編んだ虹色のリボンも、濃くたちこめる小さな人の生活の気配に完全に心を奪われます。
この時の《気配》に対する感覚が、今も芝居を作る時の私の基本になっている気がします。
▲TOPへ戻る
|